AMED 再生医療実用化研究事業

メンバー

白尾 智明

(群馬大学大学院医学系研究科 教授)

神経細胞の成熟に伴い樹状突起スパイン内へドレブリンが集積することは神経細胞の成熟度のバイオマーカーとなり、グルタミン酸刺激によるドレブリンの樹状突起への移動はシナプスの記憶・学習機能を評価するバイオマーカーとなることが、ラット初代培養神経細胞を用いた研究で証明されています。私たちはこの研究成果を応用して、ヒトiPS細胞由来神経細胞を用いたハイスループットインビトロイメージング解析法(HIBA)を開発します。HIBAを用いれば、ドレブリンクラスター数の減少をマーカーとして、ヒトの神経シナプスに対する毒性作用(Synaptotoxicity)を評価し、医薬品による高次脳機能への障害をインビトロで明らかとすることが可能となります。

Shirao T., Sekino Y. (Eds.) (2017) Drebrin. (Advances in Experimental Medicine and Biology, vol 1006) Tokyo, Springer

関野 祐子

(東京大学大学院薬学系研究科 特任教授)

国立医薬品食衛生研究所理部長として、ヒトiPS細胞由来細胞を使った 医薬品安全性理学の新しい手法開発行てきました*。特に心筋細胞関しては、公的試験法での利用実現向けて、実験方法の標準化と大規模多施設バリデーション研究と国際を先導してきました。現在はアカデミの立場から、レギュラトリ―サイエンス推進するめにさまざまな新しい医薬品試験法の開発研究に取り組んでいます。専門は、神経科学、生理学、薬理学。
Sekino et al. Adv Exp Med Biol. 1006:183-201(2017)
Ando et al. J Pharmacol Toxicol Methods. 84:111-127(2017)
Yamamoto et al.PLoS One. 11(12):e0167348(2016)
*国立医薬品食衛生研究所理部長時代の開発プロジェクト
1.「ヒトiPS分化細胞技術を活用した医薬品の次世代毒性・安全評価試験系の開発と国際標準化に関する研究 AMED 創薬戦略部 (医薬品等規制科学課) 医薬品等規制調和・評価研究事業 研究代表 (H.27~28)
2.「ヒトiPS分化細胞を利用した医薬品のヒト特異的有害反応評価系の開発・標準化」MHLW 厚生労働省研究事業 厚生労働科学研究費補助金(厚生科研費) 研究代表 (H.24~H.26)
3.「ヒト由来幹細胞の安全性薬理試験への応用可能性のための調査研究」 MHLW 厚生労働省研究事業 厚生労働科学研究費補助金 (厚生科研費) 研究代表 (H.23)

金村 米博

(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター 臨床研究センター 再生医療研究室 室長)

従来、正常ヒト神経細胞を作製することは、倫理的にも技術非常困難でありましたが、近年、iPS細胞などの多能性幹を神経分化誘導させることで、多種様な神経細胞をインビトロで任意に調製することが可能なりました。そこで私たちは、ヒトiPS細胞から、品質が標準化された正常ヒト神経前駆細胞およびヒト神経細胞を大量に作製するための技術開 発を行い、これら正常ヒト神経系細胞のインビトロ神経創薬・毒性研究への応用を目指します。

Fukusumi H, et al: Stem Cells Int 2016:7235757, 2016
Shofuda T, et al.: Neuroreport 24:84-90, 2013

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